美容液から発毛まで、話題の新素材、ヒト幹細胞培養とは

美容液から発毛まで、話題の新素材、ヒト幹細胞培養とは


ヒト幹細胞を培養する際に分泌される、「ヒト幹細胞培養液」には500種類以上のタンパク質成分が豊富に含まれており、次世代のアンチエイジング成分として、シミ、シワ、ほうれい線などの改善が期待できると話題になっています。そして加齢にともなう発毛の悩み改善成分としても注目を集めています。ここでは、美容液や発毛改善に期待されている「ヒト幹細胞培養液」についてご紹介いたします。


人間を作り上げている細胞種類について

私たち人間の体は、細胞からできていて、その種類は200~300種類と言われ、その数にいたってはなんと60兆個また、最近の研究からは約37兆個とも言われています。このように200~300種類もあると言われている細胞ですが、基本的には大きく分けると「体細胞」と「生殖細胞」の2つに分類されます。

体細胞とは?

体細胞とは、腦や筋肉、内蔵や骨や皮膚というように体を構成している細胞のことをいい、体のあらゆる機能の基本の単位となる細胞です。

生殖細胞とは?

一方、生殖細胞とは、精子や卵子のことをいい、子どもをつくるときに必要な細胞で、遺伝子情報の伝達などの役割を担っています。

体細胞と生殖細胞の違いは?

最も分かりやすい違いとしては、体細胞と生殖細胞は染色体の数が異なることです。人間の体細胞の核には46本の染色体が存在していますが、生殖細胞は23本です。この染色体の数の違いが、何よりも一番大きな違いと言えます。

この、生殖細胞は分裂してすることで、精子や卵子になり、精子や卵子の染色体も23本ずつのという事になります。そして、精子と卵子が受精することで、父親の精子から23本、母親の卵子から23本の染色体が結合して、46本の染色体をもつ受精卵となるのです。

さらに受精卵が分裂、分化、増殖することで、200~300種類の体細胞を持つ個体となります。

幹細胞とは?

幹細胞は、私たち人間の体の組織や臓器になる前段階の元になる細胞で、例えていうならば、体細胞や生殖細胞が「枝」だとしたら、その元になるのが「幹」となるのが幹細胞です。

幹細胞には、細胞分裂することで自分と同じ細胞を増やす「自己増殖能」と、体を構成する細胞となる「多分化能」という2つの特徴があります。

そして、幹細胞の中でももっとも有名なのはES細胞(胚性幹細胞)と京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞です。

とくに精子と卵子が受精してつくられる「受精卵」は細胞分裂を繰り返し、細胞が100個位になった状態のものを「杯盤胞」といい、この状態を「胚」と言い、このヒトの胚からつくられたのが「ES細胞」です。

このES細胞は多能性を持つために、「再生医療」に貢献されると、様々な疾患の治療効果がもたらされるであろうと、大変期待されました。

ES細胞の問題点とは?

このように多能性をもつES細胞は大変注目をあつめたのですが、大きな問題が立ちはだかりました。それは、ヒトのES細胞を採取するためには、ヒトの胚から採取しなければなりません。採取するためには1人の人間になる可能性のある胚を破壊して作り出さなければならないため、生命の始まりを「受精の瞬間」と考える人々から反対され、倫理的な問題が発生しました。

そして、もう一つは、もし、病気を治すために、ES細胞から移植するための細胞を作ることができたとしても、遺伝子がことなるため、拒絶反応が起こる可能性が高いという問題です。

ヒト幹細胞培養液の実用性は?

このように、人類の始まりであるES細胞をそのまま使用することは倫理的にも医学的にも、乗り越えなければならない壁が高く、現時点での実用性は低いと言えます。ところがヒト幹細胞培養液であれば、幹細胞を培養する際に分泌されるエキスであるため、幹細胞そのものは含まれません。そして、なによりも培養液には豊富な成長因子や酵素、タンパク質がふくまれていることが分かっています。この豊富なタンパク質成分が加齢とともに、減少する成分を補う効果があるといわれ、近年アンチエイジング効果が期待され、美容液や育毛剤などの新素材として実際に商品化されています。


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