部分的な粉吹きやあかみ症状が出てきてしまった。
全身の乾燥ケアはなかなか手が届きにくく、知らず知らずのうちに悪化してしまうケースも多くみられます。
乾燥は放っておくと症状が進行していくため、早めの対策が重症化しないためのポイントです!
この記事では体のひどい乾燥の症状や原因、違った角度からの保湿対策についてご紹介します。
❐体の乾燥がひどいときの症状とは
体の乾燥は日常で起こる身近な肌トラブルのため、どのような症状が「乾燥がひどい状態」なのかよくわからなかったりしますよね。
皮膚の乾燥がひどいときには下記のような症状がみられます。
・つっぱり
・ごわつき
・赤み
・粉吹き
・ひび割れ
・あかぎれ
・ガサガサ
・ザラザラ
かゆみやつっぱりは軽度の乾燥状態でも感じる症状ですが、ひび割れやあかぎれのように痛みを感じる症状は重症化しているケースが多いです。
また、全身の中でも特に乾燥の症状が多くみられる部位は、手・ひじ・ひざ・すね・かかと・背中・首・デコルテです。
体の乾燥に悩む方は思い当たる部位ではないでしょうか。
乾燥は、症状が悪化すると改善に時間がかかります。少しでも乾燥を感じたら早めに対処しましょう。
❐ひどい乾燥は「乾燥性皮膚炎」かも
肌の乾燥は、軽度の乾燥⇒乾皮症⇒乾燥性皮膚炎(別名:皮脂欠乏症湿疹)と悪化していきます。
表皮は、一番外側から「皮脂膜」、「角質層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」という複数の層からできているのですが、乾燥は皮脂膜と角質層の水分が不足して起こる症状です。
「角質層」は肌の潤いを保つ水分が保管されている層なのですが、その水分を守ってくれるのが「皮脂膜」です。「皮脂膜」は肌の表面を覆い、水分の蒸発を防いでくれる働きを持つことから「天然の保湿クリーム」と呼ばれています。
「皮脂膜」が剥がれ落ち、「角質層」が水分を保てない状態が長期間続いてしまうと乾燥がひどくなり「乾燥性皮膚炎」になります。
ちなみに乾燥性皮膚炎の主な原因は、
・必要以上の洗浄
・加齢
・空気の乾燥
であることが多いです。
乾燥症状がひどく、セルフケアでの改善が見られない時には「乾燥性皮膚炎」の疑いもあるため、早めに専門医の受診をしましょう。
❐体の乾燥がひどくなる原因と改善法
全身のひどい乾燥には必ず原因があります。思い当たる原因と、それぞれの対処法をみていきましょう。
✱洗浄力の強いボディーソープ
体を洗うことは皮脂や汚れを落とす必要なケアですが、洗浄力の強いボディーソープを使うと肌の水分の蒸発を防いでくれる「皮脂膜」まで洗い落としてしまいます。
肌を守る皮脂膜がなくなってしまえば、肌の潤いを左右する角質層の水分はどんどん蒸発し乾燥してしまいます。
肌に優しいボディーソープ、例えば「無添加」や「赤ちゃんにも使える」「敏感肌・乾燥肌用」などの記載のあるボディーソープを使うと最低限の皮脂を守り潤いを保ちやすくなるでしょう。
✱刺激の強いケア製品
スキンケア製品や、入浴剤など肌に触れる成分の刺激が強いと、肌荒れや乾燥を引き起こす原因になります。身近なものでいうと「化学成分」が思い当たるでしょう。
化学成分はケアの効果を高めたり、製品の腐敗を防ぐために使われますが、人によっては強い刺激を感じます。
乾燥肌や敏感肌の方は肌のバリア機能が強くないため、刺激を受けて症状が悪化する可能性も。乾燥がひどいときは強い補修成分を求めがちですが、なるべく「自然由来」の成分や「無添加」の製品を使うようにしましょう。
✱ターンオーバーの乱れ
古い角質が剥がれおち、新しい皮膚へと入れ替わるサイクルのことを「肌のターンオーバー」といいます。
乾燥によって起きた肌トラブルも、正常なターンオーバーによってより早く修復されます。
セラミドやアミノ酸などの乾燥を防ぐ成分は、このターンオーバーの過程で生成されるため正常なターンオーバーは乾燥対策として意識しておきたいところ。
ターンオーバーは日常の保湿ケアはもちろんのこと、生活習慣の改善も効果的です。
✱熱すぎるお湯
温度が高すぎるお湯は皮膚を守るために必要な皮脂を溶かし、角質層の保湿成分を流してしまうため乾燥を悪化させます。
肌の乾燥が気になる時のお湯の温度は40℃以下が好ましいです。入浴の際は少しぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで乾燥を防ぐと共に冷えの改善も見込めます。
さらに保湿効果の高い入浴剤を使うことで効果は高まるでしょう。
また洗顔や食器洗いなども同様です。寒い冬は熱めのお湯を使用しがちですが、人肌程度の温度であると乾燥を防げます。
✱乱れた生活習慣
乱れた生活習慣は乾燥やその他肌トラブルの原因になったり、症状の改善に時間を要する原因になったりします。
・睡眠不足
・偏った食事
・飲酒
・喫煙
・ストレス
肌への栄養や皮膚の生成、ターンオーバーなど肌の調子を整えることはもちろん、改善のサポートにも効果があります。
ケアと一緒に生活習慣も見直してみましょう。
✱運動不足
体の乾燥の原因には運動不足も考えられます。
運動をしないと血流やリンパの流れが滞りやすく、全身の肌に栄養が行き届きにくくなります。
血液の循環が悪くなれば冷えにもつながり、肌のターンオーバーが乱れるなど新しい細胞の生まれ変わりのサポートも鈍ります。
また汗に保湿成分が含まれていることから定期的な運動で汗をかくことも効果的。水分を保つ、また蒸発させない体づくりを意識しましょう。
✱加齢
「昔はこんなに乾燥しなかったのに…」と思う方は加齢による乾燥の可能性も。
体の乾燥は年齢を重ねていくとひどくなる傾向にあります。
加齢によって皮脂の分泌量が減少していくと共に、ターンオーバーによって本来剥がれ落ちるべき角質層が表面に残り硬くなってしまうためです。
肌のターンオーバーやバリア機能も衰えてきますから、日常の保湿ケアや水分補給、生活習慣を意識すると発症スピードが緩やかになるはずです。
❐体の乾燥がひどい時に意識したいこと
体の乾燥がひどい時は、いつも以上に保湿ケアを入念に行う必要があります。
いつもよりひと手間かけた保湿ケアを行うことが改善への近道です。
✱皮膚科で処方された保湿剤を塗る
市販のボディークリームは手軽に買える反面、効果が見込めない可能性があります。
なぜなら肌の乾燥状態を正しく判断するのが難しいうえにボディークリームの種類が多く、自分の肌に合った保湿剤をみつけることが難しいからです。
また、成分が合わず症状が悪化してしまうことも考えられます。
体の乾燥がいつもよりひどいときは、皮膚科など専門家の診断を受け、症状に合った保湿剤をもらいケアを行いましょう。
なかなか改善されずさまざまなボディークリームを買って試すよりも、受診して自分に合ったクリームをもらった方が費用的にも抑えられるかもしれません。
✱ボディクリームは入浴後すぐに塗る
入浴後は最も皮膚の水分が蒸発しやすい状態です。
せっかく入浴中に保湿効果の高いケアを行っていても、入浴後に蒸発してしまっては意味がありません。
また水分を保つために必要な皮脂膜が流れ落ちてしまっている場合には、乾燥が悪化してしまいます。
そのため入浴後はなるべくすぐに保湿剤を塗り、皮膚の水分が蒸発しないように蓋をしてしまいましょう。
中には入浴後体が濡れたまま塗れるクリームやオイルなどもあります。入浴後にゆっくりクリームを塗れない方におすすめです。
✱保湿効果の高い入浴剤を使う
全身の保湿ケアとして注目をしたいものが「入浴剤」です。
背中など自分では手の届かないパーツの保湿もできるため、全身をくまなくケアできます。
中でもとろみのあるお湯は保湿と共に保温効果が高く全身の乾燥ケアに適しています。トロリとしたお湯が肌表面にベールをまとわせ、急激な水分の蒸発を防いでくれる効果に期待ができるからです。
また高い保温効果によって血流がよくなるため、肌に十分な酸素と栄養素がいきわたりターンオーバーを促してくれます。
ただし、着色料や防腐剤などの化学成分を使用した入浴剤はかえって乾燥を引き起こしてしまうことがあるため、入浴剤選びには注意しましょう。
✱湿度60%を目安に加湿する
何気なく過ごす部屋の湿度も意識しておきましょう。
しっかりと保湿ケアを行っていても、空気が乾燥していると肌の水分が蒸発しやすくなります。
最も肌に適した湿度は60%〜70%です。
冬はとくに乾燥しますから、加湿器を使用するなどして対策を行うと良いでしょう。
❐保湿効果の高い入浴剤を使えば「ながら保湿」で楽チン
入浴時の保湿ケアは効果的でありながら、非常にラクなのでおすすめです。
保湿効果の高いボディーソープで体を洗うことも効果的ですが、注目したいのが「入浴剤」。お湯にゆったりと浸かりリラックスしながら保湿ケアができるなんて理想的ですよね。
・お風呂の蒸気によって毛穴が広がり、保湿成分が肌の奥まで浸透しやすい
・体が温まることで血液が巡り、皮膚に酸素や栄養素がくまなく届く
入浴剤を使用しないさら湯でも入浴効果は期待ができますが、保湿成分がふくまれていないため入浴後に乾燥しやすいです。
保湿成分をしっかりと浸透させるとともに、水分の蒸発を防ぐために肌の表面を覆ってくれる入浴剤は乾燥時の必須アイテムです。
保湿効果の高い入浴剤を使えば、すでに肌表面の保護はできているためボディークリームを塗る必要がなくなります。
入浴後にベタベタになるのが嫌な方や、ボディークリームを塗るのが面倒な方にもおすすめです。
❐まとめ
体がひどく乾燥する原因と対策をご紹介しました。
肌の潤いを保つためには角質層の水分と、それを守る肌表面の皮脂膜の両方が必要です。
食事の改善や質のいい睡眠、適度な運動によって肌の生成を促す意識をしたり、保湿剤などを使用し水分の蒸発を防ぐと改善しやすくなります。
肌のケアに適した環境で保湿ができる「お風呂」は、絶好のタイミングです。
手の届かない部位を含め全身くまなく保湿ケアができる「入浴剤」は優秀な保湿アイテムです。
入浴後にバタバタとケアに追われたくない人、入浴後にクリームを塗りたくない人はぜひ入浴剤にこだわってみてくださいね。